2023.06/08
張り詰めた空気に響く主審の掛け声。構えの姿勢をとる選手は、さながら鎧を纏った騎士のよう。
ピストと呼ばれる細長い台の上で行われるフェンシングは、スポーツでありながら時に、まるで演舞のような美しさも見せてくれます。
これこそが、フェンシングのもつ、他のスポーツにはない魅力なのかもしれません。
「Rassemblez!Salueez!ラッサンブレ サリュエ」(気を付け、礼)の合図で、剣を立てて目の前に持ってきて試合前の敬礼。
構えの合図でマスクを着用、構えの体制に入ります。
主審の「Prets?」(用意はいいか?)の確認に、選手は「Qui」(よし)または、「Non」(まだ)で答えます。両者の用意が整ったら、主審からの「Allez!アレ」(始め!)の合図でいよいよ試合開始です。
試合中、観客は選手の繰り広げる前後へのステップ、突きやジャンプなどの勇壮な技に目を奪われ息をのみます。
勝敗がついたら、改めて「Rassemblez!Salueez!ラッサンブレ サリュエ」(気を付け、礼)の合図で試合終了の敬礼をし、対戦相手と握手を交わします。
礼に始まり礼に終わる。
まさしく気高い騎士を思わせる振る舞いもさることながら、使用されるフランス語の用語にも気品を感じ、なんだか憧れてしまいませんか?