体験
申込み

第7回アカデミアプログラム【エペ、考える力で試合を変える】

2026.07/10

フェンシングは、スピードや反射神経だけで勝負が決まる競技ではありません。相手の動きを観察し、距離とタイミングを読み、次の一手を選び取る「考える力」が、試合の流れを大きく左右します。今回は、エペの齊藤憲司・特別コーチを招き、「考えるフェンシング」をテーマに、試合で使える判断力と応用力を育てるコツを教えてもらいました。

■観察する力――相手の動きを読む

試合でまず大切になるのは、相手をよく見ることです。剣先だけ、手元だけを見るのではなく、相手の体全体、とくに腰や重心の動きに注目します。前に出るのか、下がるのか、攻撃に入る準備をしているのか。相手の体幹の変化を見ることで、次の動きを予測しやすくなります。

初心者に多いのは、剣先を追いすぎて足が止まってしまうことです。斎藤コーチは、相手の近いところを意識しつつ、全体をぼんやり捉える視野の使い方を重視します。相手の崩れた瞬間や、重心が動いた瞬間を逃さないことが、攻撃にも防御にもつながります。

■距離とタイミングを支配する

実際に剣を使いながら説明をする斎藤コーチ


フェンシングでは、相手との距離管理が勝敗を分けます。遠い距離、中間の距離、近い距離にはそれぞれ役割があります。初めて対戦する相手に対して、いきなり近い距離で勝負するのは危険です。まずは遠い距離から相手のスピードや反応を探り、情報を得てから少しずつ自分の得意な距離に入っていきます。

タイミングで重要なのは、相手の「出際」と「打ち終わり」です。相手が出てくる瞬間、あるいは攻撃が終わった直後は、大きなチャンスになります。さらに、押してから下がることで相手を引き出すなど、相手の心理を利用した駆け引きも実戦では大切です。

■攻撃と防御を戦術として考える

攻撃では、マルシェも単なる移動ではなく、攻撃の準備として捉えます。相手の反応を引き出すフェイント、まっすぐ突く直接攻撃、相手の準備動作に合わせるコントルアタックなど、状況に応じて選択肢を持つことが大切です。

防御では、パラード、エスケープ、距離管理を使い分けます。パラードにも、シンプルに受ける動きと、剣を回して広く受ける動きがあり、それぞれにメリットがあります。リポストもすぐに返すだけでなく、あえて遅らせる、下がりながら返す、別のラインに変えるなど、複数の選択肢を持つことでプレーの幅が広がります。

■映像分析とシナリオ練習で実戦力を高める

斎藤コーチの講義を熱心に聞く参加者

斎藤コーチは、練習後の振り返りも重視します。自分の試合映像を見ることで、距離が近すぎた場面、攻撃が届かなかった場面、相手に読まれた動きなどを客観的に確認できます。上級者の動画を見ることも有効ですが、まずは自分の映像を分析することが上達への近道です。

また、実戦を想定したシナリオ練習も行います。たとえば「14対14の一本勝負」「2点差で追いかける場面」「相手に足突きを連続で決められた後」など、具体的な状況を設定し、その中で何を選ぶかを考えます。試合で焦らず判断するためには、練習の中でプレッシャーのかかる場面を経験しておくことが重要です。

フェンシングは、体力やスピードだけの競技ではありません。相手を読み、考え、選択し、実行する競技です。斎藤コーチは「『考えるフェンシング』を身につけることで、やりとりを楽しんで欲しい」と話しています。



プロフィール
齊藤憲司 特別コーチ

東亜学園高等学校から専修大学へ進学し、国内トップクラスのエペ選手として活躍。現役時代は、第75回全日本フェンシング選手権大会でエペ団体優勝を果たしたほか、日本代表に選出された。
現在は競技を引退し、佐賀県教育委員会の部活動アドバイザーとして、活躍している。

<<アカデミアプログラムとは>>

選手・保護者・コーチなどフェンシングに携わるすべての会員の皆さまに向けた座学によるスキルアップ・学びの機会です。

技術的な実技指導とは異なり、「戦術理解」「メンタル」「育成理論」などの観点から、フェンシングをより深く・広く捉える視点を養っていただくことを目的としています。

体験レッスン実施中

体験レッスンを申し込む

全ての教室を1,500円にて体験できます。
(防具・剣のレンタル代込み)
基礎のフットワークから防具・剣を利用した
試合形式の練習まで
他のメンバーと同じように行います。
初心者でもコーチがしっかりフォローしますので
安心してご参加ください。