2025.09/02
ロンドン五輪フルーレ団体銀メダリストの三宅 諒さんをお招きした第1回アカデミアプログラムが8月10日、MNHフェンシングクラブで開催されました!
保護者の方を対象に「フェンシングを“家庭の力”で強くする」をテーマに約1時間半にわたってお話していただきました。
三宅さんは、選手の家族がフェンシングの正しい知識を身に付けることが重要だと言います。「最初は、フレーズ(攻撃権)なんてわからなくてもいい」と話し、サッカーやボクシングなど、身近なスポーツに当てはめながら、「観る」から「見る」に変えることから始めて欲しいと話します。
三宅さんがフェンシングを始めた小学生の頃、練習試合をビデオで撮影して自宅で振り返るということは珍しいことでした。三宅さんは、「母も父も素人。全然フェンシングはわからないけど、とりあえず何か基準となるものを作って、振り返るということを続けてきました。高校生になるぐらいまでは、全員素人家族で映像を撮って研究していました」と言います。家族の支えもあり、三宅さんは高校2年生の時、世界ジュニアカデ選手権大会で、優勝を手にしました。
「フェンシングで一番大切なことは、プレアレ(開始)から相手と接触して終わるまでの動きが必ず“突くこと”に集約されていることです」と三宅さんは指摘します。
小学生の試合ではよく、家族が「頑張れ。前行って!」と言うシーンを見ます。では、なぜ「前に行って」と言うのでしょうか。前に行って突くためです。しかし、実際には前に出て、剣を払うだけで、逆に相手に突かれてしまうこともあります。
子どもは、相手からの反撃を恐れて前に行かないこともありますし、逆に前に出てきた相手に対してカウンターを仕掛けて点を取る手法もあります。
子どもの試合を見ていて、「あれ?何で前に行かないの?」と思うことがあるかもしれません。三宅さんは、「実際に試合中の選手というのは、相手のカウンター攻撃におびえている可能性もあります」などと、試合中の選手の気持ちや駆け引きについて、具体的な事例を交えながら説明しました。
選手・保護者・コーチなどフェンシングに携わるすべての会員の皆さまに向けた座学によるスキルアップ・学びの機会です。
技術的な実技指導とは異なり、「戦術理解」「メンタル」「育成理論」などの観点から、フェンシングをより深く・広く捉える視点を養っていただくことを目的としています。