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第4回アカデミアプログラム【三宅諒のフルーレ構造解説~結局、試合では何をすればいいの?~】を開催しました!

2025.10/04

選手や保護者に向けて、座学でフェンシングの技術や知識についてお伝えするアカデミアプログラム。第4回を9月28日、MNHフェンシングクラブで開催しました!

ロンドンオリンピック男子フルーレ団体銀メダリストの三宅諒さんが「三宅諒のフルーレ構造解説~結局、試合では何をすればいいの?~」をテーマに約1時間半に渡って、独自の切り口でフルーレの試合の組み立て方について徹底解説しました。



■「突くこと」と「突かれないこと」

「フェンシングで一番大事なことは、『突くこと』と『突かれないこと』です」と三宅さん。フェンシングの初心者は、アタックをしている最中によける体勢をしてしまう選手やアタックをしようとして諦めてしまう選手がいます。正しく突ければ得点になるのに、それができないから得点に結びつかなくなります。

「突かれないこと」とは防御のことです。三宅さんは「防御は単純で、ロンペで下がることだけです」と話します。フェンシングの剣の役割には、「攻撃」「反撃」「防御」の三つがありますが、同時に複数のことはできません。「パラード(払う)」は防御ではなく、反撃の一手と捉え、防御はロンペが担います。「正しい動きができれば、フェンシングは楽になります」と三宅さんは言います。

三宅さんは、実際に動きを付けながらわかりやすく説明してくれました


■どこで攻撃を打つか、打たせるか

フェンシングはピストのどこで攻撃を行うかが非常に重要です。例えば、エペの加納虹輝選手の試合を見てみると、相手を自陣に迎え入れ、相手の攻撃を受けながらエンドライン近くまで引き込み、チャンスを待ってカウンターを狙います。エペの試合ですが、フルーレの考え方に近い部分があります。

一方、2008年の北京五輪での太田雄貴選手の試合を見てみましょう。「今見るとエペみたいな戦い方ですね。お互いにすぐに攻撃を繰り出しています」と三宅さんは解説します。

改めて最新のフルーレです。敷根崇裕選手の試合を見てみると、剣を隠す独特のプレパレーション(準備動作)で相手をエンドライン近くに追い込んで、下がれなくなったところで突いています。トップ選手は、エンドライン際までプレパレーションで追い込む力を持っています。

学生の試合を見ていると、十分にプレパレーションで相手を追い込む前に攻撃をするケースが散見されます。「準備が整っていない突きは入らない。意図を持たずにプレパレーションをすれば反撃にあいます」と注意を促します。


■正しい攻撃

試合をしていて、「おや、点が入らないぞ」と首をかしげる選手をたまに見ます。それまで勝っていたのに、1点、2点と失点を重ねてしまう状態です。これは攻撃の始まりに「インテンション(意図)」がないことで起こります。

攻撃の始まりは、「インテンション」です。どんな作戦でプレパレーションをして、アクションを行うかを最初に決めることが大切です。具体的には、プレパレーションを始める前に、相手のどこにどう打つか決めています。

次に正しい「プレパレーション」です。エンドラインに向けてしっかりと、相手に“圧”をかけていきます。そして、最後が正しい「アクション」です。三宅さんは「最後に決めている場所にビビらないでアタックを打つことが大切です」と話します。


■反撃は例えるなら“フライキャッチ”

反撃を野球のフライキャッチに例えて説明する三宅さん

一方、防御側です。防御側は、相手に助走をさせたくない。アタックのスピードを殺せる位置取りを練習で身に付けます。このポジション取りが重要です。例えば、エンドラインまで相手を引きつければ、相手は大きなアタックを打てません。

このように、相手との間合いや位置取りで、相手のアタックをコントロールします。エンドラインに近付くほど、防御側も“圧”を強め、相手に思い通りのアタックを打たせないように工夫します。

「反撃のパラードリポストは、フライキャッチみたいなもの」と三宅さん。野球のフライキャッチは、外野手がバッターの打撃を見て、球の角度や速さなどから、落下位置を素早く予測して走り、落下地点に先回りして打球をキャッチします。三宅さんは、パラードリポストもフライキャッチに似ていると指摘します。どこに相手が突いてくるかを予測して、そこで待っていることが大切です。相手が突いてくる場所を的確に捉えることで、スムーズなパラードリポストができると言います。







<<アカデミアプログラムとは>>

選手・保護者・コーチなどフェンシングに携わるすべての会員の皆さまに向けた座学によるスキルアップ・学びの機会です。

技術的な実技指導とは異なり、「戦術理解」「メンタル」「育成理論」などの観点から、フェンシングをより深く・広く捉える視点を養っていただくことを目的としています。

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